太陽工業コラム
物流業界は、労働環境改善への対応が遅れがちであるといわれています。
そんな業界において、従業員の憩いの場になるようなユニークな事務所をつくることで、大幅な業務時間の削減と従業員満足度の向上を実現したのが、ノバ・エキスプレス株式会社様です。
従業員は家族であると語る大越社長(写真中央)に、「膜屋根の事務所」※1の導入に至った理由や、環境改善への想いを伺いました。合わせて、トータルデザインを担われた「TRUNK5 DESIGN STUDIO」の沼谷代表(写真左)からは、デザイン面や価格面で採用に至った経緯をご紹介いただきます。
※1 製品名:FLEX HOUSE HYBRID SYSTEM(フレックス・ハウス・ハイブリッド・システム)
貴社の事業や、特徴について教えてください。
ノバ・エキスプレス株式会社は、1967年に創業した物流会社で、主に食品のトラック配送を扱っています。創業者である先代がトラックメーカーの営業職出身ということもあって、トラックに関する知識が豊富でした。その知識を活かして、業界でも他社に先駆けて抗菌車や低温物流を採用し、当時から「トラックと人で勝負する会社」として営業してきました。
「かゆいところに手が届く物流サービス」をテーマに掲げて、最良の状態で・最速で食品をお届けすることを目指しています。
開放的な田町の本社オフィス(モニターも常設している機能的な会議室)
仙台営業所の建屋では膜屋根を採用して新築されました。そのきっかけは何だったのでしょうか?
ノバ・エキスプレス株式会社 仙台営業所
物流業界を支えているドライバーの仕事は、決して楽ではありません。そもそもが長時間労働ですし、昼夜逆転の生活になることで体調管理も難しくなります。サービス面でも厳しく問われ、配送のタイミングや荷扱いについては、わずかなミスさえも許されません。
3K(キツイ、汚い、危険)などとも言われることもあって、なり手も多くないなか「トラックと人で勝負する会社」としていかに環境改善を図るかは、先代から続く課題でした。
従業員は家族であり、会社の大黒柱です。彼らの健康やモチベーションに特化した施設を作れば良い仕事ができて、より良いサービスにつながるのではないか?と思い、健康をテーマにした事務所を作ろうと考えたのがきっかけでした。
もともと、どのようなお困りごとがあったでしょうか?
当社では、現在のようにデジタコが一般に普及する以前から、全車に導入するなどして従業員の業務効率の改善に取り組んできました。そうやって工夫をしているなかでも、因果関係は不明確ですが、体調を崩してしまう従業員が現れ始めたんです。
また、以前に仙台事務所があった場所は、トラック車庫と片道20分ほどの距離があり、移動に大変なコストがかかってしまっていました。
そこで、根本的に働く場所、環境を改善する必要があると考えていました。
今回の新事務所の改善テーマと、内容を教えてください。
テーマは従業員の健康と、コミュニケーションです。
「ただ作業をするところ」ではなく、「ここで働きたいな」「素敵なところだな」と思える空間づくりをしたいというのは、ずっと考えていました。人が自然に集まるような施設をつくれば、採用の促進にもなるし、従業員のやる気も出ますよね。
営業所の2階。キッチンやオープンスペース、会議室がある
新事務所は屋根が膜構造なので日中はとても明るいですし、夜も柔らかくて雰囲気のある照明が漏れるようになっています。柱が少ないのでとても開放的で、窓を開けるといい風が入ってくる気持ちの良い空間ができました。
運転中は座り続けているドライバーが、事務所に帰ってきて気軽に楽しく身体を動かせるように、入口からすぐのところにサンドバッグも設けています。ちょっとした仕事のストレスを、ここで発散してもらいたいという意図もあります(笑)。
それから車庫との距離も大幅に短くなったので、移動のコストや負担も軽減されました。さらにはドライバーの健康維持のため血圧計を置いてみたところ、これが大ヒットしまして、みんなで毎日血圧を計って結果を壁に貼り出したりしています。これによってドライバーの身体の健康の改善に繋がるのではないかと思います。
1階のトレーニングルーム
事務所の周囲にはコンビニや飲食店がほとんどないので、キッチンとカフェスペースも設けてみんなが快適に楽しく食事できる環境もつくりました。これまでは会話の少なかった事務スタッフとドライバーが、自然と会話するようになりました。
今回の新事務所の特に良いと思うところや、従業員の方からの感想を教えてください。
ドライバーは、日に当たることが少ない職業なんです。
膜屋根なら日中は蛍光灯がなくても太陽光が入ってくるのですごく明るくて、健康にも良いし雰囲気も明るくなります。それが一番のお気に入りです。
柔らかい光を創造する「膜天井」を採用
新事務所を見たお客様からは「素敵なレストランみたいだね」という感想を頂いたりして、誇らしく感じました。今度、事務所のキッチンを使って芋煮会をやりたいと考えています。
以前の事務所は小さなマンションの一室を使っていたので、そこからのギャップはかなり大きいですね。事務所のリーダーがわざわざ私を訪ねてきて、「素敵な事務所をつくってくれてありがとうございます」なんて御礼を言われました。
従業員が喜んでくれたことが分かったのが、一番嬉しかったです。
事務所を利用する従業員はたくさんいますから、できるだけみんなの声を拾い上げて、さらに良い環境をつくっていきたいです。
業務改善の効果はどのくらいありましたか?
分かりやすく数字に現れた効果としては、事務所全体で月に200時間分の業務時間が削減できるようになりました。これまで発生していた残業が、丸ごとなくなったという感じです。
業務の成果はまったく変わることなく、残業はほとんどなくなりました。車庫と事務所が近付いたことで移動コストも減りましたし、間取りの動線を工夫したことで事務作業の効率も大幅にアップしたことが一つの理由です。
あとは、やはり気持ちの良い環境で働くことで自然と動きが良くなった結果だと思います。
最大の目的である従業員の健康についてはもう少し長期的に見る必要がありますが、笑顔やコミュニケーションが増えたことはとても良い傾向だと思っています。
先日の台風で帰れなくなった従業員が、仮眠スペースやキッチンを使って快適に夜を過ごせたことも、大きなメリットになりました。
弊社をお知りになったきっかけは何でしょうか?
事務所の改善をずっと考えている中、沼谷さんから大阪の体験施設をご紹介いただきました。「膜構造」という選択肢は頭になかったのですが、「東京ドームにも採用されている」と聞いて、すぐに興味が湧きました。
すぐに大阪に飛んで見学しましたが一目で気に入ってしまいました。土地面積の割に建物の中がすごく広くて開放的で、その場で導入を決意したくらいです。
沼谷代表に伺います。FECを検討しようと思われた決め手は何でしょうか?
弊社は関西や海外の物件など幅広くデザインを手掛けています。今回、大越社長から依頼があり、当初からドライバーさんのためというコンセプトも聞かされていました。
「TRUNK5 DESIGN STUDIO」(目黒オフィス)
沼谷代表が直接セレクトした海外アンティークが出迎えてくれる
内装に関して言えば、移動が少なくなる間取りはもちろん、例えばトイレは子育て(赤ん坊)も踏まえてスペースを確保しています。ミーティングルームは頭を柔らかくするための内装にしています。設備面でもペーパーレスやヒヤリハットの共有のためモニターは必須です。喫煙所の灰皿にもデザイン性を持たせています。
ただ、これらは限られた予算で実現させなければいけません。建屋としてもRC(鉄骨)では単価が高く、デザイン面でマッチしていませんでした。そこで「膜屋根」という方向で検討しました。
大阪本社のショールームでは、「膜屋根」の光や空調の良さを実感できましたし、寒さの面でも問題ありませんでした。夜の照明効果も確認できました。
今回のタイプの事務所をお薦めするなら、どんな方でしょうか?
仙台営業所にて古谷リーダーと大越社長
業種を問わず、従業員の満足度や健康を考える企業さんすべてにおすすめしたいです。 内装の自由もすごく効きますので、こだわりを持って事務所をつくりたいと考える人にはぴったりだと思います。
最後にひと言お願いします。
仙台新事務所は、当社の業務改善の一つのステップです。
「人とトラックで勝負する会社」として、これからも従業員の声を聞き続けて、より良い環境をつくっていきたいと思っています。
大越社長、沼谷代表、ありがとうございました。
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