太陽工業コラム

「特定天井」に非該当。大空間なのに安全性が高い天井構造の「膜天井」の全容とは?

設計事務所X社 設計部

ショッピングモールのリニューアル工事にユニークなデザインや空間演出を採用したい!

全国各地で大型地震による天井の脱落や落下などの被害が多発し、対策強化のために法整備が行われた。なかでも「特定天井」が定義された細かい基準が定められたことで、学校をはじめとする公共施設で天井の改修工事が進んでいる。その流れは民間の大型商業施設などにも及び、X社もショッピングモールのリニューアル工事を担当することになった。

課題

施主の要望を叶えると「特定天井」に該当し、工期が間に合わない

設計事務所X社では、リニューアル工事を担当することになったショッピングモールの設計が進められていました。しかし細部を詰めていくに従い、建物に関する構造上の問題や施主からの要望など、クリアしなければならない課題がいくつも持ち上がり、設計部のS氏は頭を悩ませていました。

施主からの要望は、天井の吹き抜け部に光を用いた空間演出を取り入れ、施設としての付加価値をつけること。もちろん、地震などの有事の際の安全性がしっかり担保されていることが大前提です。
「はじめに私たちが設計した天井は、『特定天井』に該当することがわかりました。そのため、法で定められた落下防止措置を取らなければならず、要望を実現するためのハードルは高いものでした。(S氏)

S氏らはどうにか課題を解消しようと試行錯誤を重ねますが、そもそも今回のリニューアル工事は工期が短く、使える時間に限りがありました。特定天井への対策措置を講じるためにはそれなりの時間がかかるため、天井以外の改修工事にも影響がでてしまうおそれがあります。また要望に沿って意匠性にこだわろうとすると、許認可を取ることなど安全性を確保するために必要なプロセスがどんどん複雑になってしまう点も課題でした。

「特定天井」に該当しない条件で安全性を確保し、さらに意匠性を向上できる方法はないか、設計部はさらに調査を重ねましたが、最適な方法はなかなか見つかりませんでした。

課題のポイント

  1. 工期日程が短い中で「特定天井」の対策措置を講じる必要があった
  2. 意匠性のこだわり、凝ったつくりにすればするほど、許認可や安全面の基準を満たすことが難しくなってしまう

解決

解決のポイント

  1. 太陽工業の「膜天井」は大空間で使用しても特定天井に該当しないうえ、安全性も高い
  2. さまざまな空間に適した形状に加工することができ、施工の自由度が高く意匠性にも優れていた
  3. 商業施設の他にも、レジャー施設や空港などの大型施設でも採用されている実績があった

意匠性と安全性、そのうえ特定天井でない手軽さを兼ね備えた演出方法が見つかった!

工事日程が迫るなか、S氏は引き続きショッピングモールの改修事例を調べていると、太陽工業が開発・提供している「膜天井」に関する実績集を見つけます。S氏の目をひいたのは、実績集に掲載された意匠性の高いユニークな施設の数々でした。すぐに太陽工業に問い合わせて、後日、膜天井について詳しい説明を受けることにしました。

太陽工業の担当者によると、「膜天井」は「軽さ」「柔らかさ」「強さ」という3つの要素を兼ね備えていました。そのうえ、吊り材を介さずに主要な構造部に取り合うことが可能なため大空間であっても特定天井に該当しない天井構造であることがわかったのです。
「膜天井なら、空間に合わせて形状を自由に変えることができ、軽量かつ柔らかい素材なので、万が一落下したとしても被害が少なくて済みます。そういった点も評価されて商業施設の他にも、レジャー施設や空港など、大型施設ですでに多数採用されてる点も納得ですね」(S氏)

今回のリニューアル工事について、施主の要望を担当者に伝えたところ、膜パネルの1辺を天井に定着させ、膜を懸垂させる工法を提案されました。
太陽工業の「膜天井」なら、懸垂する膜の一つひとつの形状に変化を付けることが可能でした。そのため、下からの照明を当てると、膜の上部と下部で発色が異なるグラデーションを再現できるのです。これなら、「天井の吹き抜けに光を用いた空間演出を取り入れたい」という施主の要望に応えることができます。

特定天井に該当せず、安全性も十分に担保できることが確認されたため、X社の今回のリニューアル工事に太陽工業の「膜天井」を採用することを正式に決定しました。
現在、設計部のS氏らが中心となって、詳細な設計を進めています。

製品概要
>>膜天井

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