太陽工業コラム
設計事務所A社 設計部
学校跡地や使われていないスペースを有効活用して、人が集う施設を設置したい!
少子化の影響から公立の小中学校の統廃合に伴い、残った校舎や体育館、校庭などの活用促進が求められる中、廃校となる学校跡地の有効活用について、地元のA社に相談が舞い込んだ。地域コミュニティ活性化の拠点としたいという自治体の意向を反映すべく、再開発プロジェクトをスタートさせたが設計は難航を極めた。
課題
従来と同じ大型屋根では、ニーズにあった施設が難しくて…
設計部は手始めに、地域のコミュニティやPTAの集まりなどでヒアリングを重ね、その結果、オーソドックスな体育館とは少々異なる施設へのニーズが見えてきました。
この案件を担当する設計部のN氏は、当時を振り返ってこう語ります。
「地域のみなさんにお話をうかがってみると、世代を超えて誰もが楽しく利用ができるよう、全天候型で開放感のあるスペースにしてほしい、という声が多く上がりました」
そうした新たな施設を建設する場所として、校庭の一部が候補に挙げられました。そこでN氏は、その場所に大型屋根や照明などを設置する計画を練り始めます。しかし、早々に、課題に直面することになります。
一つ目は、利用効率の問題です。いくら大型屋根を設置したとしても、あらゆる天候に対応できるわけではありません。そのためどうしても、利用できるシーズンや時間帯が限定されてしまい。利用者の利用効率が悪くなってしまいます。
二つ目は、構造上の問題です。大型屋根を設置するには、それを支えるための柱が必要になります。特に中柱が設置されていると、施設内で使用できるスペースに制限が増えてしまい、利用の際の自由度が低くなってしまうのです。
そのうえ、設置するコストや工期も想定以上にかかることが判明しました。
N氏たちは。地域のつながりに貢献するためのスペースを設計しようと奮闘しましたが、なかなか対応策が見つからず、計画はいつの間にか暗礁に乗り上げてしまいました。
課題のポイント
- 全天候型で開放感のあるスペースに対するニーズが多く、廃校になった校庭の一部が候補地となった
- 大型屋根を設置するだけでは、季節や天候に左右されるため利用効率が悪い
- 屋根の構造上、柱の数が多くなるためユーザーが利用する際の自由度が下がる
解決
解決のポイント
- 太陽工業の「makbox(マクボックス)」は、軽量で柔軟な膜材を使用した膜構造物
- 膜材の光を透す特性を生かし、明るさを確保しつつ日射や紫外線のカットが可能
- 中柱のない構造で開放的な大空間を創り出し、ユーザーの活動を制限する要素が少ない
人が集うスペースに最適な、軽量で柔軟な膜材を使用した膜構造物を発見!
困り果てたN氏は、情報収集を加速させます。そしてあるWeb検索結果から、太陽工業の「makbox」の資料にたどり着きます。
「資料を拝読するなか、『かしまわんぱく広場』の事例にくぎ付けになりました。そこで、膜構造物と、その可能性に興味を持ちました」(N氏)
N氏はすぐに太陽工業に問い合わせ、makboxについて詳しく話を聞くことにしました。
掲載されていた事例の建築に使われていたのは、軽量で柔軟な膜材を使用した膜構造物でした。
makboxは膜材の光を透す特性を生かした空間を創り出すことを得意とし、日中は照明設備が不要なほど、十分な明るさを確保できるとのことでした。それならば自然光を施設内に取り入れて、利用者に自然な陽ざしを感じてもらうことができます。
また、太陽光の明るさは十分に透すものの、日射や紫外線はカットする性能を併せ持つため、この膜構造物を使用すれば、天候や時間帯を気にせず、年間を通して利用が可能な施設が建設できます。
従来の大型屋根と比べると、中柱がない構造であることも強みの一つでした。施設内のスペースをしっかり確保できるので、利用者の活動を必要以上に制限することもありません。施設内で遊んでいる子どもたちの行動などが容易に視認できるので、保護者にとっても安心な場所になり得ます。
「そのうえ、中柱がなく軽量な構造のため、基礎工事のボリュームも抑えられるため、短工期・低コストで手軽に建設できることもわかり、今回の案件に使えそうだと確信しました」(N氏)
実際に膜構造物が使用されている施設を見学できたことで、N氏の具体的な建設イメージは一気に膨らんだのです。その企画案を今回の施主である自治体に提案したところ、高い評価を得ることができ、建設に向けた準備はすべて整いました。
現在、A社では膜構造物を活用した開放感のある地域コミュニティスペースの建設に向けて、詳細な仕様を太陽工業と詰めている真っ最中です。