太陽工業コラム
ファミリー層にフォーカスした店づくり、アイコンとしてのふわふわドーム
静岡トヨペット静岡長沼店(静岡県静岡市)
あえて展示スペースを減らしてまで
静岡トヨペットでは地域に向けて特にファミリー層にフォーカスしたお店づくりを推進。静岡長沼店の改装計画において店舗隅の小さなキッズスペースといった従来の枠を大きく超え、お店の顔ともいえる場を子どもたちの“遊び場”とする大胆な店舗リニューアル計画を立案します。その目玉として検討されたのがふわふわドームの設置。最新の人気車種を並べていた大庇下スペースをふわふわドームが置かれたデッキに改修するというものでした。
ショールームにとって実車展示スペースは販売活動にとって重要な意味を持ちます。一見するとこの改修は販売活動と逆向きのようにも見えます。しかし静岡トヨペットでは一部を子どもたちの“遊び場”として提供することで、誰もが気軽に訪れることができる場=地域に開かれたお店というメッセージをより強く打ち出そうと考えたのです。
スペース、設置条件に合わせた特別設計
もともと車の展示場所だったスペースに置くには、規格サイズのふわふわドームは大きすぎること、また庇下への設置ということから、遊具の設計を一から見直し、スペース・設置条件に合わせた特注設計を行いました。特に重視したのが安全面です。 子どもたちがドームから飛び出してしまった場合にも、大きなケガや事故がないように、やわらいかい素材で接着面を仕上げ、充分な領域をフェンスで確保しています。さらには、天井の高さも充分取れるようにデッキの高さを設計しました。
また通常、ふわふわドームの施工には発注から約半年ほどの期間をいただいていますが、本案件はご相談から施工完了までが4ヶ月強という非常にタイトなスケジュールでした。店舗リニューアルの目玉企画でもあることから、お客様と密に連携し、設計から施工、引き渡しまでの各工程の効率化を徹底することでご要望にお応えすることができました。
滞在時間が伸びるなどの効果が
2019年のゴールデンウィークに合わせてオープンして以降、地域の子どもたちには「ふわふわドームのある自動車屋さん」として認知され、ねらいであったファミリー層の集客も確実に伸びています。特に顕著なのはお子さんがぐずることなく楽しく遊んでいてくれているので、子ども連れのお客様の店内滞在時間が大きく伸びたこと。これによってじっくりと商談でき、お客様の要望などをより確かに汲み取ることができるようになったといいます。
またこれまでは整備、車検などの際には男性お一人で来店することが多かったのが、リニューアル後はお子さん連れでの来店が格段に増加。お客様と販売スタッフとのコミュニケーションもより密接になり、タイヤ等のアフターマーケット製品はもちろん、乗り替え需要の把握など販売活動へも確実に良い影響を及ぼしているといいます。