太陽工業コラム

法面崩壊を防ぐ│法面保護の効果的な具体策とは

日本はその国土の特性から、風水害や地震など多くの自然災害の発生に見舞われがちです。その都度、各地で発生した法面崩壊のニュースが報じられてきました。その場合、二次災害を防ぐために速やかな対応が必要となってきます。

土砂崩れや崩落などを未然に防ぐ為には、普段からの法面保護工事が極めて重要です。今回は法面崩落の事例とそのメカニズムについて見ていきつつ、その対策と法面保護工事のスキームについてご紹介しましょう。

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法面崩壊について

引用 『国土交通省 北海道開発局 室蘭開発建設部』 日勝峠の災害

法面は常に崩壊過程にあると言って良い程に不安定であり、自然災害に対しても脆弱なものです。特に高速道路や鉄道などに交通インフラに付随した法面が崩壊すると、交通インフラに多大な影響を及ぼし、その経済的損失は莫大なものとなります。

例えば高速道路に隣接する法面が高さ7メートル幅150メートルに渡って崩壊し、全面通行が再開されるまで半年近くかかったという事例があります。これは植物を植えることで保護されていた法面に雨水が浸透、脆弱化して崩壊に至ったというものであり、結局は改めてコンクリートや鉄筋で固める保護工事が施されました。

さらに鉄道の線路脇に盛土で築かれた法面が、高さ15メートル幅20メートルに渡って崩壊したという事例があります。応急措置による運転再開まで、やはり多くの時間を必要としました。この法面もやはりコンクリートなどで補強される法面保護工事が施されたものではありませんでした。

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降雨による法面崩壊のメカニズム

法面には切土法面・盛土法面の二種類があります。これは法面を作る時の方法によって分類されるもので、前者は斜面を切り取ることで作った法面で、後者は逆に斜面に土を盛り付けることで形成された法面です。

これらは降雨によって深刻な劣化がもたらされ、法面の崩壊が発生、場所により甚大な被害へと繋がります。

「盛土法面」は面に土を盛り付けることで形成された法面

それでは降雨により法面はどのような経緯で崩壊に至るのでしょうか。切土法面では、特に切りっ放しの法面や植生が根付いていない法面の表面に雨水が流れることで、表層が浸食を受けたり崩落したりする場合があります。切土法面が真砂土や砂、火山灰土など土砂で構成される場合に発生しやすく、放置すると表層からより深い崩壊にもつながります。

盛土法面の場合でも、植生が十分でない状態などで降雨に曝されると、表面が浸食され、崩壊に繋がります。また、表面水が集中しやすい箇所や、跳水の発生しやすい水路周辺などでは、降雨による浸食や洗堀が発生しやすく、豪雨により排水溝がオーバーフローし周辺の法面が浸食される場合もあります。これらの浸食は、雨水流出量が多大となればより深く広い範囲に影響があり、崩壊も大規模なものへ繋がってしまいます。

台風の大型化や線状降水帯の発生により豪雨の規模と頻度が増加している近年、法面への雨水流出量も増え、「常に崩壊するかもしれない」という想定を行っておかねばならないと言えます。その為にも普段からの法面保護工事の実施が必要となるのです。

施工性、耐久性、柔軟性に強みのあるコンクリートキャンバスとは

「コンクリートキャンバス」はコンクリートとキャンバス(布地)の複合材料で、水分を加えれば硬化します。布地とコンクリートの性質を併せ持っており、特長としては施工性、耐久性、柔軟性が挙げられます。

コンクリートキャンバスでの法面保護工事

施工性

コンクリートキャンバスは1本で約70kg程度。現場での裁断も自在に行えるため、重機が入らないようなエリアでも人力で運搬・設置が可能です。そのため、プラントの設置や重機確保の手間とコストが削減可能です。

耐久性

コンクリートもそうですが、屋外では紫外線による劣化にどこまで耐えられるかが肝になります。コンクリートキャンバスは、英国規格の耐候性試験で少なくとも50年の屋外環境に対応できることが確認されております。

コンクリートキャンバスの構造

柔軟性

硬化が始まるまでは布地の性質をもっており、複雑な形状の地盤にも柔軟に追従します。、また、カッターナイフでの切断が可能なため現場に合わせた細かな調整が可能で、法面のみならず、排水路の補強など様々な用途でご採用をいただいております。

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まとめ

多くの経済的損失を発生させる法面崩壊を未然に防ぐ法面保護工事には多くのコストと手間がかかります。

しかし、コンクリートキャンバスは、手軽に利用ができ、低コスト、またその耐久性によって施工後の保守費用も抑えてくれます。既に地方公共団体をはじめとしたバリエーション豊かな導入事例がありますので、ぜひ弊社の公式ホームページをご覧ください。

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