太陽工業コラム

災害での緊急対応に適したエアーテント「マク・クイックシェルター」

日本は地震や台風など災害にたびたび見舞われる国です。消防、民間を問わず、万一のための備えが求められます。

救急や消防の現場では災害時に拠点が必要となるため、災害対応用のテントを検討している団体や担当者の方が多いことでしょう。

本記事では、災害対応現場用のテントにはどんな機能が求められ、その機能を満たしているテントのスペックについてご紹介していきます。

防災用テントに求められる機能

災害対策訓練のイメージ

災害対応現場用テントは、災害現場での活動拠点として利用されます。現場指揮本部や救護拠点です。日本各地からの応援ボランティアや緊急援助隊の寝泊り場所として使用されることもあります。

実際に2019年の台風15号災害では千葉県に甚大な被害をもたらしました。その際は大規模停電からの復旧のため、各電力会社が木更津のイオンモールに集結し、テントを拠点にして対応しました。

2019年の台風15号災害(左:停電状況、右:各電力会社が木更津に集結)

実際の現場利用から、災害現場対応用のテントには下記のような機能が求められます。

防災備蓄用に収納しておける

災害対応用のテントなどは、使用していない時間のほうが長い設備です。使用時の利便性と同じくらい、収納に関して高い機能性が求められます。

災害対応に用いるテントは、未使用時には場所を取らないようコンパクトで、使用時にはすぐに取り出せるような収納性を備えている必要があります。

簡単に持ち運びができる

災害発生時はあらゆるアクションに緊急性が必要です。テントを設営場所に移動するのに時間がかかってしまっては、優れた災害対応用テントとは言い難いでしょう。

大型で重量のある従来のパイプテント等では、倉庫から持ち出すだけでも時間と人手を要します。運搬時には小型かつ軽量で済むよう選定する必要があります。

テント一式につき2名程度で容易に持ち運べる軽量さと、コンパクトさを求めましょう。

少人数で設営できる

持ち運びだけでなく、設営に関しても同様です。災害時は実働できる人員に限りがあることが想定されるため、持ち運びからそのままの流れで、2名程度で設営まで完了できることが望ましいといえます。

短時間で設置できる

災害発生時は何よりも急を要します。テントも短時間で組み立てられるものでなくてはなりません。救護所などの用途によっては内部空間を確保する必要があります。

側面布の取り付けが必要なパイプテントなどでは時間がかかってしまうためあまり好ましくありません。長くとも一式5分程度で設営できる機能が求められます。

安全性が高い

災害対応用のテントであれば、設営後の安全性にも配慮する必要があります。現場がどのような状況であるか分かりませんので、あらゆる原因による破損や、火災などの二次災害を防ぐためにも、できるだけ丈夫で耐火性の高い素材を用いたテントが必要です。

メンテナンスが容易

上記のように安全性の高いものであっても、万一の事態には備える必要があります。メンテナンスが容易なものを選ぶようにしましょう。緊急時に業者が工場に持ち帰らないと修理できないようなものでは、災害現場で用いることはできません。

目立つ・遠くからでも役割が分かる

混乱する現場では、様々に設営されているテントから目的のテントをすぐ識別してもらう必要があります。複数の拠点を設営する場合は、色や文字などで目立つようにしてテントの役割などがすぐに分かるようにしておくことが必要です。

色でテントの役割を識別する

簡単に撤収できる

災害現場対応用テントは臨時に設置しますので、撤収時もなるべく速やかに対応できるものが望ましいでしょう。

災害対応現場用のテントには「エアーテント」がオススメ

ここまで、災害現場対応用テントに求められる機能を整理してきました。そして、災害現場対応用テントの最適解として「エアーテント」をご紹介します。

エアーテントとは?

エアーテントとは、従来のパイプなどの骨組みではなく空気で膨らませて形成する、機能と利便性を高めたタイプのテントです。

緊急・災害時に素早く簡単に設営でき、機能も充実しているため、災害現場用テントに最適です。太陽工業株式会社の災害・緊急用エアテント「マク・クイックシェルター」を例に、仕組みや機能をご紹介していきます。

熊本地震で実際にエアーテントを使用した例(益城町テント村)

コンパクトに収納できる

エアーテントには全て布地で骨組みがありません。骨組みがない分、非常に軽量でコンパクトに収納できます。

エアーテントであれば場所を取らず、畳んだテントの上に他の備品を収納することも可能です。取り出しに困ることもありません。

軽量で持ち運びも簡単

災害現場用のテントは、持ち運びのしやすさも重要です。エアーテントであればわずか2人で運ぶことができます(下の写真)。乗用車にも積載できるサイズなので運搬が容易です。

「マク・クイックシェルター」は気柱部分が少ないため重量も大幅に軽減されています。他社のエアーテントと比べて畳みやすいという特長もあります。

さらに生地もゴムではなく繊維のため、他のエアーテント製品よりも一層軽量に仕上がっています。

拡げて空気を入れるだけで設置完了

エアーテントは組み立て・設置も簡単です。従来のパイプテントでは、骨組みや布地の取り付けが複雑で、重さもあるため設置に手間と時間がかかってしまいます。

エアーテントであれば、空気を入れるだけで組み立てられるので、設営箇所に運んでそのまま誰でもすぐに設営することができます。

大人2人で設置できる

持ち運び同様に、エアーテントは設営も大人2名がいれば十分に対応できます。下の写真のように、ポンプを設置したらあとは空気で膨らむのを待つだけなので、両端を支える人員だけで設営できてしまいます。

パイプテントでは一般的に4人必要といわれている中、半分の人員で済むということは、緊急時には倍の効率で設営が進むことを意味します。

最短約3分で設置可能

組み立てが簡単で人手もかからないだけでなく、時間もかからないのがエアーテントの特徴です。作業時間のイメージは下記のとおり、最短約3分で完了します。

  • 1.生地の展開(1~2分)
  • 2.ロッドの取り付け(1~2分)
  • 3.空気の充填(1~3分)※手動でも可能

空気の充填は手動でも可能

先述したとおり、内部空間を確保するための側面布の取り付けが不要なため、区画づくりが必要な場合にもエアーテントは最適です。

2016年の熊本地震の際には、トイレが強風で飛んでしまうことを防ぐため、トイレを覆うシェルターとしてもエアーテントが使用されました。

熊本地震後に太陽工業からMQ-442タイプのエアーテントを4棟提供
医療ボランティア(AMDA)、スタッフルーム、仮設トイレシェルターとして使用

防火素材使用で火災に強く、強風にも耐えられる

テント素材も防火素材を使用しており、火災に強い設計です。形状安定性にも優れ、強風時にも安心して使用できます。

二重チューブ構造により現場で修理ができる

マク・クイックシェルターは複数の独立した「エアビーム(二重チューブ式)」と、それに直交する横つなぎ材『連結式FRPロッド』により構成されています。

アウターチューブ・インナーチューブの二重構造で、インナーチューブが高い機密性を保つと同時に、アウターチューブは損傷を受けた場合でも、ダメージがインナーチューブに達することを防いでいます。

また、万が一インナーチューブが破損した場合でも、現場で交換作業をし、復旧させることができます。「エアビーム」と屋根膜を一体加工する事より、すぐれた強度となっており、『連結式FRPロッド』のツッパリ効果で、テント全体として一体構造になっています。

豊富なオプションで「何のテントなのか」がすぐ分かる

マク・クイックシェルターはテントのカラーリング指定や、団体名などの任意の文字を妻面、側面に入れることが出来ます。

マジックテープ付きのシートで「救護所」「災害対策本部」などの、エアテントの用途を表す表示布を付け替えることもできます。このように対外的にテントの機能をより強く発信することが可能です。

例えば、土砂崩れの復旧活動の拠点などでは、ドクターヘリから目立つように、消防庁のテント屋根部分に組織名を印字する対応した事例があります。

下の写真のように、消防庁ではオレンジのカラーリングで統一して導入しています。ただし、オレンジ色だとテント内で顔や肌が赤く見えたり、熱を持ちやすいため、内側の天幕は白としたツートンカラーで組んでいるなど、工夫がなされています。

※オレンジは国際救難色と定められており、夜間の交通事故現場や火災現場など暗闇や煙の中で活動するときに、
視界が悪くても救助隊が居ることを判りやすくする効果があります。

ツートンタイプ

約5分で撤収

設営時同様に、撤収も簡単かつ素早く行えます。

排気もボタンを押すだけで勝手に空気が抜けていく仕様のため、人の手で圧力をかけずに待っているだけで行えるのできわめて容易です。(浮き輪のように、力を入れて空気を押し出す必要がありません)概ね5分ほどで、撤収は完了します。

災害対応用エアーテントの導入事例

実際にエアーテントを導入している現場も多くあります。導入事例をご紹介します。

東北電力(各支店)

災害復旧の現場の事務所として配備しています。緊急時に誰でもすぐに確実に設置ができるエアテントの特長が生かされています。

静岡県ボランティア協会

静岡県ボランティア協会様が所有され、被災地の本部や、案内所に使用されています。東日本、熊本の震災でも活用されました。

総務省(総務省支援車)

東日本大震災の際に全国から緊急消防援助隊の皆様が集まりました。現地での活動時に寝泊り用にエアテントが使用されました。

熊本地震対応現場

先述のトイレシェルターの他にも、災害ボランティアの休憩所や食料備蓄用スペースなど様々な用途で使用されました。

災害ボランティアの休憩所
食料などの備蓄

熱中症対策

災害現場などでは、近年作業員が熱中症の被害を受けるケースが多くなっており、熱中症対策も重要となってきています。

マク・クイックシェルターには「COOL MQ」という熱中症対策用のテントもあります2018年7月27日~8月4日にて試験的に現場で使用して、熱中症ゼロを実現した実績があります。

フライシート(製品名:サマーシールド)を装備することで屋外からの日差しを緩和し、遮熱性が高まることでシェルター内の温度上昇を抑制しています(エアコンとの組合せでマイナス5℃)。

フライシート(製品名:サマーシールド)を上部に被せて、温度を下げる (エアコンとの組合せでマイナス5℃)

エアーテントの設営~撤収を動画で観てみる

実際に、エアーテントの設営から撤収の手順を説明している動画がありますのでご紹介します。

(出典:太陽工業株式会社 災害・緊急用エアテント「マク・クイックシェルター」

まとめ

ここまでご紹介してきたように、マク・クイックシェルターには圧倒的な機能性・利便性があります。

災害現場対応用テントを検討されている場合は、ぜひマク・クイックシェルターをチェックしてみてください。

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