太陽工業コラム
~大規模再開発の一環として駅舎屋根とファサードにETFEフィルム採用~
この度、太陽工業はフランス・ブルターニュ地方のレンヌ駅の再開発における、膜屋根及びファサードの工事に携わりました。
今回、太陽工業の現地法人(Taiyo Europe GmbH)が受注した駅舎案件はレンヌ駅を縦断する大型ETFE製フィルム屋根に関する工事です。1日乗降者数が18,000人を超える大型ターミナル駅のレンヌは、駅の南側と北側が分断された作りとなっており、さらなる鉄道路線の増設も控えたレン駅に、来場者の円滑な往来を実現することを狙いとした再開発が計画されました。
新しい駅舎はブルターニュ地方を象徴する霧と樹木をイメージして設計され、その屋根とファサードには高機能フィルムETFEが採用されました。Taiyo Europe GmbHは駅舎北側の大屋根、駅舎南側の調光機能付き屋根、駅舎ETFEファサードの設計、製造、施工を請け負いました。層数やフィルム厚さがそれぞれ異なる7種のETFEフィルムクッション構造を組み合わせ、128枚のパネルを用いて合計で3,500平米の屋根面積及び1,000平米のファサードを完成させました。
南側に完成した調光機能付き屋根は、内圧を利用してクッションの中間層を可動することで、施された印刷面同士の重なり度合いを変化させ、日射熱取得率に変化を付けることが出来る仕組みとなっています。これにより、日中は直遮光による眩しさやぎらつきを抑えた明るい空間を創造し、夜間は内蔵されたLED照明が周辺を照らすような演出が可能です。また、駅舎は多層階に渡る構造となっており、ETFEフィルムの透明性により下の階層まで自然光が届く設計となっています
ETFEフィルムを採用した建築物はヨーロッパを中心として世界中で幅広く採用されており、その透光性、耐久性、そして自由な形状と照明効果による演出が様々な施設を彩っています。太陽工業はメルセデスベンツスタジアム(アメリカ)や豊洲ランニングスタジアム(東京)を始めとして象徴的なETFEフィルム構造を多数手掛けており、今後も付加価値の高い革新的な建築物に参画したい所存です。
Taiyo Europe GmbHについて
創立:2004年
社長:Frank Höreth(フランク・ホレス)
所在地:ドイツ、ザウアーラハ
レンヌ駅について
施主:SNCF Gares & Connexions
物件管理:SNCF Gares & Connexions
設計:Agence Duthillieul / Atelier d’Architecture Gare & Connexions
構造設計:AREP / MAP3
膜構造設計:LEICHT France