太陽工業コラム

メルボルン・パークのテニスコート上屋に仮設の膜屋根採用

~既存の構造を活かした脱着可能な仮設屋根が完成~

太陽工業のオーストラリア現地法人(MakMax Australia)はオーストラリア、メルボルンに位置するメルボルン・パークのテニスコートに張力膜構造の屋根を完成させました。メルボルン・パークは1956年のメルボルンオリンピック会場跡地を利用したスポーツの複合施設であり、全豪オープンの会場として使用されることでも有名です。その中でショーコート3と呼ばれるコートの観客席上に膜屋根が取り付けられました。

計画された膜屋根は視界を遮ることなく、雨や陽射から観客を守ることが狙いでした。また、仮設の構造として膜屋根を簡易に取り外しができることも求められた為、膜パネルの脱着作業を短期間で可能とするような固定部材の配置が計画されました。

既存のスタジアム観客席は1982年の完成から38年が経過しており、構造に関する現存の資料も限られていました。観客席の内外に対して3次元スキャンの調査を実施した結果、既存の基礎は大きな荷重に耐えられないことが判明した為、複数の設計案を得て既存の構造に施工可能な構造の提案に至りました。

現場への重機アクセスが制限されるなどの課題を乗り越え、2019年8月の施工開始から4か月後の12月に無事引き渡しを完了し、翌年1月に実施された全豪オープンでお披露目となりました。

全豪オープン開催時、膜屋根は来場者から非常に高く評価されたこともあり、仮設で取り付けられた膜屋根を恒久建築へ改修する計画が進行中です。

MakMax Australiaについて

創立:2003年
社長:岩田祥裕
所在地:オーストラリア、ブリスベン

 

メルボルン・テニス・センターについて

施主:Tennis Australia