太陽工業コラム
近年、日本では毎年のように予想を超える大雨や台風による水害が各地で発生し、住居や施設では復旧が困難なほど甚大な浸水被害が出ています。このような水害は今後も発生する可能性が高いものと考えられます。他人事とせず万一に備えて未然に被害を防ぐための準備をしていくことが必要です。
浸水などの水害に対しては、物理的に水をせき止めることが一番の対策です。止水の役割を果たす一般的な資材としては「土嚢」が挙げられます。
嵩上工事と異なり緊急時のみ設置することが可能で、一定の水防効果を期待できるため現在でも様々な現場で用いられている資材です。 しかし、土嚢の仕組み自体は非常にシンプルであるものの、災害用資材としては弱点があります。常備することが難しく、緊急時への備えとして十分とは言えないのです。
本記事では、土嚢に代わる優れた水防ツール「デルタパネル」をご紹介します。その効果や耐久性を中心に、この「デルタパネル」の特徴をご説明していきますので、水害対策をご検討中の方は、ぜひご一読ください。
一般的な水防資材「土嚢」の問題点
まず、広く知られた水防資材である「土嚢」について改めて触れておきましょう。
土嚢とは、布製の袋に土や砂などを詰めて体積と重量の塊を作り出すことで、頑丈な防壁や重石の役割として用いられる資材です。複数の土嚢を積み重ねることで隙間をなくしています。利用シーンは水害対策や土木工事の現場など様々です。
つくりも非常に簡易で頑丈であるため幅広く利用されている土嚢ですが、実際に利用してみると、扱うには困難な点をいくつか抱えていることが分かります。
- 大量の土砂が必要で、常備することが難しい
- 準備と設置に時間がかかり、緊急対応に向かない
- 十分な止水効果を発揮するには技術と経験が必要
- 袋の耐久性が低く、繰り返しの使用に向かない
大量の土砂が必要で、常備することが難しい
土嚢を使用するには、袋に詰める大量の土砂が必要となります。農地などであれば土砂の手配も日常的に可能かもしれませんが、一般的には土砂を常備しておくことは容易ではありません。特に都市部においては、土砂の手配自体が限りなく難しいケースが想定されます。 そのため、地域を選ばず起こり得る水害への対策としては土嚢は不十分です。
準備と設置に時間がかかり、緊急対応に向かない
土嚢は、ひとつひとつ袋に土砂を詰めて積み上げることで使用しますので、準備から設置まで相当の時間を要します。しかし水害が目前に迫っていたり、既に被害が出始めている状況においては、対応は一刻を争うものです。一般的に、浸水を防げる高さで4m幅の土嚢壁を作る場合、大人2名で対応しておよそ100分の時間を要するとされています。 これでは瞬間的に迫ってくる豪雨災害には、とても間に合わないと言わざるを得ないでしょう。
十分な止水効果を発揮するには技術と経験が必要
土嚢はその性質上、複数を積み上げて「壁」を形成することになります。壁と言ってもひとつひとつの土嚢は袋状であるため隙間が生じやすく、十分な止水効果を発揮するには熟練の技術と経験が必要になります。 想像を超える水量が瞬間的に流れ込んでくる状況では、少しでも漏れる箇所があるだけで大きな被害に繋がることが想定されます。そのため、止水効果が不十分な土嚢は最適でないと考えられます。
袋の耐久性が低く、繰り返しの使用に向かない
土嚢袋はポリエチレンなどの化学繊維からつくられています。 一般的には使い捨てのものが多く、水害時に一度使用したものは使い捨てなくてはなりません。とくに水害の頻発が懸念される地域においてはコストの観点からも問題があるといえます。
土嚢に代わって止水の役割を果たす最新の水防ツール「デルタパネル」
近年の水害状況を鑑みると、土嚢で対応することは多大なる労力が必要になってきます。緊急対応できる仕組みと高い止水効果、さらには土嚢にも負けない耐久性を兼ね揃えた資材やツールを検討していく必要があるでしょう。
そんな現代に則した水害対策のツールとして、太陽工業株式会社製の「デルタパネル」をご紹介します。デルタパネルとは、特許出願済みの仕組みを備えた水防シートです。
柔軟で軽量かつ耐久性の高い膜素材にアルミフレーム・パイプ・メッシュシートなどを組み合わせており、三角の断面を作り出すことで増水による水の力にも対抗できるほどの安定性と強度を発揮します。
大きな水害にも対応できる特徴として、以下のポイントが挙げられます。
- 高い防水・止水効果と強い耐久性
- 保管しやすい軽量でコンパクトな作り
- 緊急時にもすぐに対応可能な設置方法
- 繰り返しの再利用が可能で経済的
- 設置箇所を選ばず利用できる
高い防水・止水効果と強い耐久性
使用しているシート素材は合成樹脂製で、その高い防水性と大きな力にも耐えられる強度が特徴です。この樹脂膜は引き裂き強度もきわめて高く、70kg~80kgほどの力にも耐えられます。一般的なテントなどに用いられる膜素材の5倍以上の強度です。
さらにシート以外でも、アルミフレームやパイプ、メッシュシートなど、いずれも耐久性を備えた素材を使用しており、特許出願中の三角断面構造によって増水による水圧にも対抗できる強度を生み出しています。
また、加工面においては、生地同士を溶かして接続面を一体化させる溶着技術によって一切の隙間を失くすことで水漏れ防止も徹底されています。他にも、各パネルを連結して使用するため連結部分には二重の止水ファスナーが施されています。
実際に水圧実験を行った際の写真
保管しやすい軽量でコンパクトな作り
デルタパネルは1枚あたり、高さ60㎝・幅110㎝というコンパクトな構造です。その上、わずか2.5kgと非常に軽量。シート状のため、使わない時には小さく丸めて折りたたむことが可能で保管や備蓄も限りなく省スペースで済みます。
緊急時にもすぐに対応可能な設置方法
デルタパネルは、設置時間がわずか10分と短時間での対応が可能です。シートを立ち上げてパイプを挿入するだけでパネル1つが完成するという簡易構造なので、誰でもすぐに設置できるようになっています。工具なども必要としないので、デルタパネルだけあればすぐに立ち上げることができます。
繰り返しの再利用が可能で経済的
デルタパネルは、繰り返しの再利用を想定して作られています。乾かして解体をしてしまえば、あとは保管しておくのみで耐久性にも問題ありません。そのため、再度の利用時にもすぐに設置することが可能です。
設置箇所を選ばず利用できる
デルタパネルは、複数のパネルを横に連結する仕様のため、さまざま建物の間口の広さに対応できます。また、シート状であるため凸凹した地面などでも面に密着させることが可能で、設置個所を選ばないという利点もあります。
まとめ
将来的に、豪雨や台風などの規模は更に強大なものになるかもしれません。そういった想定され得る事態に備えて、より対応しやすく効果の望める水害対策の方法を準備しておくことが求められています。
デルタパネルは、土嚢や既存資材の問題点を潰し込んだ最新の水防シートです。その高い効果と利便性は、現状の水害対策における最適解のひとつと言っても過言ではないでしょう。対策を考えられている方は、ぜひ一度お問い合わせください。
デルタパネルについて、詳しくは以下の窓口からご案内しております。