太陽工業コラム

オゾン除菌装置の効果とは?99.9%のウイルス死滅率と各種メリットを両立する優れた除菌ソリューション

除菌や脱臭には、『オゾン』がきわめて効果的であることをご存知でしょうか。

オゾン層で知られるオゾン(O3)には空間や物質に対する高い除菌効果があり、これを発生させる装置を用いることで、医療現場等における感染症の拡大対策などに役立てることができます。

除菌用途としては未だ認知度の低いオゾンについて、その高い効果や安全性をこの記事で紹介します。

医療従事者の方や、官公庁の防疫担当者の方にぜひご覧いただきたい内容です。

医療現場、医療従事者の感染リスクとオゾン除菌

医療従事者の方、とくに感染症に関連する領域に対応する方は、常に感染リスクを意識して職務にあたる必要があります。 接触感染はもちろんのこと、飛沫感染や空気感染に至るまで、目に見えない脅威に対して接触範囲に限らず空間全体で対策を講じることが求められるのです。

除菌を行うにあたっては、その効果が高いことに加え、安全性が高いことや、除菌が確実に完了していることを視覚的に確認できることなどが要素として必要です。 また、病院などの医療現場で用いる場合には、ランニングコストを抑えることも考慮しなければなりません。 さらに、パンデミックなどが発生して現場が多忙をきわめ、一刻を争うような状況下では、除菌作業は短時間で完了しなければならないでしょう。

  • 除菌力
  • 安全性
  • 確実性
  • 低コスト
  • 短時間

これらを可能にするのがオゾンであり、オゾンを発生させる除菌装置なのです。

強い除菌作用のある『オゾン』とは

「オゾン(ozone)は、3つの酸素原子からなる酸素の同素体である。分子式はO3で、折れ線型の構造を持つ。腐食性が高く、生臭く特徴的な刺激臭を持つ有毒な気体である。地球の大気中にとても低い濃度で存在している。」
>>引用:『wikipedia オゾン』

一般的にはオゾン層で知られているオゾンは、実はきわめて高い除菌力を有しています。 フッ素に次ぐ強力な酸化作用があり、医療・食品・農業などの分野において、除菌・殺菌、ウイルスの不活化、薬品臭や死臭などの脱臭、有機物の除去などに用いられています。

除菌力に優れるだけでなく、日本とアメリカ合衆国では食品添加物としても認可されているほど安全性が高く、さらに有機塩素化合物を生成しないために処理後の水にも残留しないことから、塩素に代わって水道水の除菌に用いている国もあります。

また2020年現在では、新型コロナウイルスに対する効果も検証されており、その有効性が確認されています。
>>参照:『株式会社タムラテコ 日本医療・環境オゾン学会より「新型コロナウイルスに対するオゾン水 の期待される効果」が発表されました』

オゾンガスを発生させるオゾン除菌装置とその5つのメリット

オゾンを医療現場で用いるためには、オゾンガスを発生させて空間や物質を除菌します。 このオゾンガスを発生させるのが、『オゾン除菌装置』です。

(オゾン除菌装置の一例 出所:株式会社タムラテコ)

他の手段と比較した場合、オゾン除菌装置には以下のような5つのメリットがあります。

メリット1:強力な酸化分解能力

上述のとおり、ウイルスや細菌、ニオイに対して強い除去効果を発揮します。 CT値(※後述)が60のとき、99.9%以上の除菌効果が確認されました。

 

メリット2:原材料の備蓄が不要

オゾン除菌装置は空気中の酸素を利用してオゾンガスを発生させるため、薬剤などの原材料は不要です。

 

メリット3:家庭用電源のみで駆動可能

装置は100Vの家庭用電源に接続すれば使用することができます。 装置以外に、専用の設備等は必要ありません。

 

メリット4:操作が容易

スイッチを入れるだけで動作が開始し、プロセスは自動で制御されるため、使用現場に負担がかかりません。

 

メリット5:排出対策が不要

オゾンは有機塩素化合物を生成しないため、除菌や脱臭処理後の排出対策が要りません。

『オゾン除菌テントシステム』の効果と、『CT値』から見るウイルスの死滅率

オゾンは、空気に触れてしまうとその効果を十分に発揮することができないため、除菌効果を最大限に引き出すためには密閉空間でオゾンガスを発生させる必要があります。

そのためオゾン除菌装置は、テントと併用することが理想的です。 オゾン除菌システムとテントを併用した仕組みを『オゾン除菌テントシステム』と呼びます。

(オゾン除菌テントシステムの外観)

このオゾン除菌テントシステムを用いることで、テント内の『CT値』を高めることができます。 CT(コンセントレーションタイム)値とは、オゾンガスの殺菌・不活性効果を示す指標として国際的に認められているもので、オゾンガス濃度と接触時間の積(濃度『ppm』×時間『min』)から算出されます。

CT値が高いほどその効果が増加することを表しており、CT値に応じたウイルスや細菌の死滅率は以下の表に記載のとおりです。

オゾンガスによる除菌データ

ウイルス・細菌 CT値
(ppm×min)
死滅率/減少率
(%)
一般細菌 大腸菌 60 99.99
Staphylococcus pyogenes(化膿レンサ球菌) 60 100
Staphylococcus aureus IFO 12732(化膿レンサ球菌) 24 100
黄色ブドウ球菌 N20 60 99.98
黄色ブドウ球菌 RN2677 60 99.98
新型インフルエンザ( H1N1) 18 99.7
新型インフルエンザ( H5N1) (強毒性鳥インフルエンザ) 60 100
Norovirus(ノロウイルス) 72 100
Bacillus cereus IFO 13494(セレウス菌) 24 100
Vibrio parahaemolyticus IFO 12711 (腸炎ビブリオ菌) 24 100
Salmonella typhimurium IFO 14193(サルモネラ菌) 24 100
硫化水素 28 100

なお、表の各項の検証機関は以下のとおりです。

  • ①②④⑤…昭和薬科大学微生物研究室
  • ⑥…北里大学ウイルス科
  • ⑦…厚生労働省及び消防庁
  • ⑧…ビジョンバイオ株式会社
  • ③⑨⑩…財団法人日本食品分析センター
  • ⑪…岡山工業技術センター
  • ⑫…和歌山市消防本部

オゾン除菌テントシステムを用いることにより、99.99%以上のウイルス死滅率を実現することができます。

オゾン除菌テントシステム・オゾン除菌装置の展開例

オゾン除菌テントシステムは、医療機関に限らず様々な現場で活用することができます。 薬剤が不要であり、家庭用電源があれば使用できるうえ、排出物の後処理が不要であることから、以下のように柔軟に展開することが可能です。

  • 病院などの医療施設
  • パンデミック時などにおける施設外の仮設置(駐車場など)
  • 救急車両による搬送中
  • 精密機器のある事務室や医療施設内

オゾン除菌装置の人体への影響と安全性

オゾンはその強力な酸化除菌作用ゆえに、使い方を誤れば人体に有害になる場合があります。 ただしこれはあらゆる物質についていえることであり、正しく活用すればきわめて安全に除菌効果を得ることができます。 オゾン除菌テントシステムを用いる際には『耐オゾンマスク』を着用し、以下の点を理解して正しく使ってください。

(耐オゾンマスクBT-06 出所:株式会社タムラテコ)

『オゾン除菌テントシステム』で院内感染を防止する方法

オゾンは濃度によって人体に許容される暴露時間が制限されています。

  • 長時間限度:0.1ppm / 1日8時間まで
  • 短時間限度:0.3ppm / 1日15分まで

数値は、日本産業衛生学会によるものです。

 

オゾンの発がん性

WHOのがん専門研究機関であるIARCが作成する『発がん物質リスト』にはオゾンは記載されておらず、厚生労働省付属機関においてもオゾンの発がん性は確認されていません。

 

オゾン暴露における皮膚への影響

日本皮膚科学会の論文によれば、1.0ppm濃度の24時間×10週間連続暴露テストにおいても、皮膚コラーゲン量および組織に影響は見られませんでした。

 

オゾンの人体作用メカニズム

オゾンが人体に与える影響の主なものは、呼吸器系への障害です。 呼吸器系に侵入したオゾンガスにより、気管支炎などが起きる恐れがあります。

まとめ

オゾンの除菌効果についてご紹介しました。未だ除菌作用については認知度は低い状態ではありますが、この記事を参考に、各医療現場や官公庁において検討のきっかけになれば幸いです。

オゾン除菌装置やオゾン除菌テントシステムについて詳しい情報をご希望の方は、以下の窓口までお問い合わせください。

 

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