太陽工業コラム

【河川災害復旧】三面水路工が短工期で完了する 『布製型枠』の6つの実例

梅雨から秋頃にかけて日本列島は大雨や豪雨、台風に見舞われ、毎年のように大小規模の災害が発生しています。河川の氾濫や河岸の決壊が起きれば、多くの場合、河川災害復旧のためのコンクリート打設工事が必要になります。

しかし、早急な対応が求められる事態にもかかわらず、型枠を組む従来のコンクリート打設工事には以下のような課題があり、地域の土木担当者たちは頭を抱えています。

  • 大型重機などの乗り入れが必要で、対応可能な現場の条件が限られる
  • 型枠を組む熟練工を手配する必要があり、人手が不足する
  • 型枠の設置に時間がかかり、迅速な復旧工事できない

この課題を解決して、場所を選ばず・熟練工不要で・短工期の三面水路工を実現するのが、『布製型枠タコム』です。

迅速な河川災害復旧工事の方法を求める方に向けて、布製型枠の魅力と、実際に布製型枠タコムが用いられた三面水路工などの事例を紹介します。

まずは以下事例をご覧ください。

事例1:豪雨で崩壊した水路の復旧工事(和歌山県)

平成26年、和歌山県の田辺市で、豪雨によって水路が崩壊。治水のため、早急な復旧工事対応が求められていました。

しかし現地の地形は複雑で重機を乗り入れることが難しく、また工事が必要な面積は250㎡にも及んでいたために型枠を組むにも手間と時間がかかりすぎるという問題が浮上。従来のコンクリート打設工事では対応しきれないと判断され、異なる解決策が検討されていました。

ここで採用されたのが、布製型枠『タコム』です。

対応の難しい現場において、なぜ『タコム』は短工期での三面水路工を実現することができたのでしょうか。

施工場所 和歌山県田辺市
品番 スタンダード(ノンフィルター)型150H
復旧規模 250m2

布製型枠『タコム』とは:その特徴と利点

布製型枠『タコム』とは、合成繊維製の袋状のマットのことであり、ここに生コンクリートやモルタルを注入することで、一定の厚みのコンクリート面を簡単に、すばやく形成することができます。

マットを敷設するだけで河岸のコンクリート復旧工事を可能にします。

 

マットは軽量・コンパクト・フレキシブルで、現場の状態や場所を選ばず半日~1日程度で敷設工・固定工を完了することができ、特殊機械や技能・準備が不要なので、従来の型枠に比べて大幅に工期が短縮できるのが最大の特徴です。

布製型枠の施工手順は、おもに次の3ステップです。

  • 施工ステップ1:敷設工・固定工
  • 施工ステップ2:注入工
  • 施工ステップ3:洗浄工

 

施工ステップ1:敷設工・固定工

マットを敷設し、法面上部側に単管パイプを通して支持用のチェーンブロックで縮みを考慮しながら固定します。

 

施工ステップ2:注入工

マットの注入口に注入ホースを挿入し、注入を行います。

 

施工ステップ3:洗浄工

こぼれ落ちたコンクリートや汚れなどを水で洗い流しします。

 

布製型枠『タコム』は簡単で迅速なコンクリート面の形成が可能でありながら、仮復旧ではなく本復旧工事に用いることができるほどの高い品質・性能を誇ります。

布製型枠『タコム』の代表的な特徴は、以下の4点です。

  • 柔軟で短工期を実現する施工性 (日施工量:約300~500m2)
  • 場所を選ばない多様性
  • 高い耐久性
  • 経済性(50H(5cm厚)約6000円/m2前後)

 

柔軟で短工期を実現する施工性

現場でマットを敷設してその周囲を固定するだけで、コンクリート(モルタル)の注入が可能です。マットの敷設は、300~500m2ほどの広範囲でも半日~1日程度で完了し、少人数・短時間での施工を実現します。

大型重機は不要で、水中や海中でも施工が可能です。

 

場所を選ばない多様性

マットは軽量・コンパクト・フレキシブルであり、型枠や張りブロックなどの従来の工法に比べて、施工場所や現場の状態を選びません。

マットの形状は現場に合わせて工場加工されるため、様々な地盤の凹凸によく馴染み、多様な形状でも施工可能です。

また、適用できる法勾配は最大で1:10程度です。

 

高い耐久性

従来のコンクリートブロック張などと比べてマットの面が大きいため、波や水流などに対して高い耐久性があります。

 

経済性

5cm厚のコンクリート面を1㎡形成するのにかかる費用は、約6000円前後です。型枠の設置や、設置のための熟練工の手配、重機の手配等が不要であるため、短工期と同時にコストの削減を実現します。

このような特徴をもつ布製型枠『タコム』を用いて、短工期で河川災害復旧工事を実現した事例を紹介します。

布製型枠『タコム』を用いた三面水路工などの施工事例

おもに水路の復旧工事に布製型枠『タコム』が用いられた以下の5つの事例を紹介します。

  • 事例2:河川の緩衝材の保護・シェッド補修工事(栃木県)
  • 事例3:廃棄物処理場埋立地の法面保護(岡山県)
  • 事例4:河川災害の護岸復旧工事(岡山県)
  • 事例5:市道に面する河川災害の護岸復旧工事(岐阜県)
  • 事例6:擁壁の排水部洗堀防止工事(群馬県)

 

事例2:河川の緩衝材の保護・シェッド補修工事(栃木県)

施工場所 栃木県日光市
品番 スタンダード(ノンフィルター)型50H(5cm厚タイプ)
施工規模 360m2
施工時期 令和元年11月

 

事例3:廃棄物処理場埋立地の法面保護(岡山県)

施工場所 岡山県久米郡美咲町
品番 スタンダード(ノンフィルター)型50H(5㎝厚タイプ)
施工規模 543.7m2
施工時期 令和元年12月

 

事例4:河川災害の護岸復旧工事(岡山県)

施工場所 岡山県倉敷市真備町有井
品番 スタンダード(ノンフィルター)型100H(10㎝厚タイプ)
施工規模 1,705m2
施工時期 令和元年6月

 

事例5:市道に面する河川災害の護岸復旧工事(岐阜県)

施工場所 岐阜県関市
品番 フィルター型TF100C(10㎝厚タイプ)※
施工規模 150m2
施工時期 令和2年3月

※シート底部に隙間のあるフィルター型は、湧水のある法面、水位差の生じる調整池になどに適しており、法面からの湧水をスムーズに排水することができます。

 

事例6:擁壁の排水部洗堀防止工事(群馬県)

施工場所 群馬県甘楽郡下仁田町
品番 スタンダード(ノンフィルター)型200H(20cm厚タイプ)
施工規模 45m2
施工時期 令和元年11月

まとめ

布製型枠『タコム』を使えば、場所を選ばず、重機や熟練工も不要で、すばやい河川災害復旧工事が可能になります。

台風や豪雨によって起きる河川への被害は、少しでも早く影響を抑える必要があり、迅速な対応が求められます。

三面水路工などのコンクリート面形成には、布製型枠『タコム』を検討されることをお勧めします。布製型枠『タコム』についてさらに詳しい情報をご覧になりたい方は、以下のリンクを参照してください。

 

>>太陽工業株式会社「布製型枠タコム」

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