旅客上家スレート屋根葺き替えの新工法を確立、高輪ゲートウェイ駅にも使われた技術を応用、JR東日本と共同特許出願中
2022年9月22日
<報道用資料>
太陽工業株式会社
大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、社長:能村 祐己、以下:太陽工業)は、東日本旅客鉄道株式会社(東京都渋谷区、以下:JR東日本)と共同で、旅客上家スレート屋根葺き替えの新工法を確立しました。
国内の旅客上家で広く採用されているスレート屋根は、破損・飛散を防止するために葺き替え工事が必要です。新工法は既存のフレームをそのまま生かすことができるため工期を大幅に短縮しながら、軽量で安全性の高い膜屋根へ葺き替えが可能です。
JR東日本市ケ谷駅旅客上家の一部において、去年よりJR東日本と新工法の検証を実施してきましたが、その有効性が認められ、市ケ谷駅の未更新部分にも採用されました。さらには、JR東日本上野駅においても同工法による葺き替えが予定されています。技術の確立にともない、当社はJR東日本と共同の特許出願を行い、2022年9月に開催された「2022年度日本建築学会大会(北海道)」にて工法について発表しました。
JR東日本 市ケ谷駅 スレート上家葺き替え前→ストレート上屋葺き替え後
駅プラットホームでの工事は、鉄道の利用がない深夜時間帯しか進めることができないため、短期間で一定部分の工事を速やかに進める工法が必要となります。新工法は、1日あたりの施工面積が12~18㎡となっており従来工法に比べ30%程度作業効率が向上しています。また、JR東日本高輪ゲートウェイ駅や東京駅八重洲口グランルーフなどにも採用された膜素材の特徴を生かして開発した新素材を採用しており、金属屋根と同等の耐久性をもちながら採光豊かで明るく美しい景観を実現します。
国内旅客上家のスレート屋根は多くが完成から数十年が経過し、老朽化に伴うメンテナンスや葺き替えが必要となっています。当社では今後も多くの駅で葺き替えの要望が高まると判断しており、2022年10月より国内の主要鉄道会社への本格的な拡販を開始し、今後5年間で20億円程度の売上を目指します。
太陽工業では今後も既成の概念に囚われることなく、さまざまな発想を形にして膜の可能性を引き出し、お客様に感動と快適な環境をご提供します。
新工法の特徴
- 高い作業効率 スレート撤去から1日12~18㎡の張替えが可能な高い作業性を実現
- 重機不要 部材が軽量なため、人力による作業が可能
- 既存フレーム改造不要 アジャスター金物で取合うため、既存フレームをそのまま利用可能
- 2次鉄骨不要 大掛かりな鉄骨改造作業が無いため、火気作業不要
- 簡略な設計作業 既存フレームの実測データから当社にて設計作業
膜屋根のメリット
①開放感があり、明るく快適な空間を実現
膜屋根の明るい空間は、高齢者をはじめお客様の快適性を大きく向上できます。
②屋根裏温度を低減し熱中症対策にも有効
光を通し、熱を反射する膜は温度上昇を抑えた快適空間を実現します。高い日射反射性能によって屋根裏の温度は金属屋根に比べて9℃*低くなることが確認されています。
*素材メーカーの計測値
③高い耐震性
膜は軽量なため揺れに対する負荷が少なくなります。また特徴である柔軟性は揺れによる変形に追従し柱への負荷も軽減します。これにより自身での屋根落下などの危険を減少します。
太陽工業株式会社について
太陽工業は、社会の安心・安全を支え、人々の豊かな生活の実現に貢献することを目指す「膜構造のリーディングカンパニー」です。軽くて丈夫な素材の特性を活かし、巨大ドームの屋根に象徴される各種建築事業をはじめ、土木や物流、さらには環境分野などにも製品を展開しています。特に近年では、各地で多発する災害時の緊急対応や、新型コロナ対策の医療用テントでも社会の注目を集めつつあります。
□公式HP:https://www.taiyokogyo.co.jp/
この件に関するお問合わせ先
太陽工業株式会社 コーポレートコミュニケーション(広報) 電話:06-6306-3033
高谷(080-4017-4670)/蔭島(090-2147-4572)