大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、社長:能村 祐己、以下:太陽工業)は、2024年3月16日(土)に開業した北陸新幹線※1(整備:鉄道・運輸機構、運営:西日本旅客鉄道株式会社)の敦賀駅2階のコンコースの膜天井を施工しました。
北陸新幹線敦賀駅は「空にうかぶ~自然に囲まれ、港を望む駅~」をデザインコンセプトとし、屋根部分は敦賀市の鳥「ユリカモメ」が羽ばたく姿をイメージして作られています。新幹線ホーム階の待合室などの建物は船の操縦室をイメージしており、ホーム中央付近からは敦賀湾を望むことができるなど、敦賀らしさが詰まった駅舎となっています。
2017年に日本遺産に認定された北前船の寄港地として有名な敦賀市らしさを表現するため、3階の新幹線ホームと1階の在来線ホームをつなぐ2階乗り換えコンコースには、天井全体に膜天井を用い、北前船の白い帆と浮遊感をイメージさせるデザインとなっており、広いコンコースに相応しいスケール感あふれる空間が特徴となっています。
表現力の高い空間をつくる膜天井
膜天井は、軽く、柔らかく、強いという”安全・安心”に加えて、”美しく快適な空間”を作ることができます。重くて硬い従来の天井に代わり、やわらかなデザインを可能にし、自由なグラフィック印刷を施すことも可能です。様々な空間に適した表情を与えることで、空間の表現力をより一層高めることができます。
相次ぐ天井落下で膜天井に注目
東日本大震災では、体育館、劇場、商業施設、工場などの大規模空間を有する建築物について、天井落下の被害が相次いで報告されており※2、天井材など非構造部材の耐震化が注目されています。膜材料の質量は約600g/㎡で従来の天井材に比べて非常に軽量です。柔軟な膜材料は室内の意匠性を高めるだけでなく、震災時の大きな揺れ(変形)に追従できるため、天井脱落の危険性を軽減します。さらに厚さ1㎜の薄い素材であるにもかかわらず、落下物を受け止める強度があります。こうした利点が評価され、学校施設や体育館、室内プールなどの更新や新築で膜天井が積極的に採用されています。
<注釈>
※1 北陸新幹線の延伸に伴い、金沢駅から敦賀駅にかけて新たに6つの駅が新設されました。敦賀駅は北陸新幹線の新しい終着駅であり、高さ約37mの駅舎は国内最大規模の整備新幹線駅舎となります。
※2 東日本大震災での天井落下の被害件数:国土交通省発表の「建築被害を踏まえた建築基準の検証・見直しへの対応」によると約2,000件の被害が報告されています。
<参考>
膜天井は、「脱落によって重大な危害を生ずる恐れがある」とされる「特定天井」(国土交通省告示771号、平成25年8月)ではありません。
北陸新幹線敦賀駅 施工概要
・施工時期(全体):2020年1月~2024年1月
・施工時期(膜構造):2022年11月~2023年2月
・規模(総膜面積):3,800 ㎡
太陽工業株式会社について
太陽工業は、経済性、施工性、透光性、デザイン性に優れた大型膜面構造物のリーディングカンパニーです。「膜の無限の可能性を引き出し、お客さまに感動と快適な環境をお届けします。」の企業理念のもと、軽くて丈夫な素材の特性を活かし、巨大ドームの屋根に象徴される各種建築事業をはじめ、土木や物流、さらには環境分野などにも事業を展開し社会の安全・安心を支えています。
イベントコンサルティングのTSP太陽株式会社ならびに施設運営のアクティオ株式会社をはじめとするグループ会社とともに「世界を、やわらかく。未来を、あたたかく。」することを目指しています。
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