太陽工業株式会社(大阪本社:大阪市淀川区、社長:荒木 秀文、以下、太陽工業)と日立造船株式会社(本社:大阪市住之江区、社長:谷所 敬、以下、日立造船)は、このほど、デザイン性・耐震性・環境負荷の低減に優れた「次世代煙突」を世界に先駆けて完成させました。本煙突は、城南衛生管理組合クリーンパーク折居(所在地:京都府宇治市)において適用されました。
次世代煙突の概要
「次世代煙突」は、従来のごみ焼却施設の煙突に用いられてきた外壁コンクリートやPCパネルに替わり、軽量素材である「フッ素樹脂酸化チタン光触媒膜材」を採用した新工法です。2011年に太陽工業と日立造船の共同で開発がスタートし、国土交通大臣指定性能評価機関である一般社団法人日本膜構造協会(東京都港区、菅原進一代表理事)の技術審査を経て、2013年より販売を開始しました。
1枚の膜パネルで大面積を覆うことができ、取り付け作業も内部から行うことで工期短縮を実現します。また、膜材を透過した光が煙突内部の空間に明るさをもたらしてメンテナンス時の作業性向上を実現し、さらには外壁塗装が不要なため、維持管理コストの低減にも繋がります。
次世代煙突の特長
【デザイン性】
膜構造のため、柔軟に形状をデザインでき、夜間にはLEDイルミネーションによるライティングで、デザインタワーとして地域の景観を豊かにすることが可能です。
【耐震性】
膜材料による大幅な軽量化を実現していることから、耐震性の向上を図ることができます。
風・地震の際の揺れに膜素材の特性で追従できます。
【環境負荷の低減】
大気中に含まれる窒素化合物(NOx)を酸化チタン光触媒膜材で分解します。
このように周囲の環境を浄化するだけでなく、有機物である汚れも分解して雨で洗い流すセルフクリーニング効果で白さを保ちます。
今後の方針
煙突外壁に膜構造を用いた「次世代煙突」にすることで、耐震性や施工性が向上し、さらに豊かなデザイン性が採用施設のイメージ刷新に繋がり、地域のランドマーク化を可能にします。太陽工業と日立造船は、「次世代煙突」を通じて、より安全で魅力ある社会の実現に積極的に貢献していく所存です。
太陽工業と日立造船について
太陽工業は、大型膜構造建築物メーカーとして、国内では東京ドーム(東京都文京区)や長居陸上競技場(大阪市東住吉区)をはじめ、海外の大型スポーツ施設などの屋根膜など様々な分野・用途に展開される膜構造の設計・施工等を行っています。
日立造船は、都市ごみ焼却発電施設や火力発電所向けなどに鉄筋コンクリート製煙突や鋼製煙突を400本以上納めており、煙突の設計・製作・施工において国内トップレベルの実績と技術を有しています。