JR九州と住友商事の共同事業“でんきの駅川尻”を施工

蓄電設備用建屋として危険物に対応したテント倉庫を受注

大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、社長:能村 祐己)は、九州旅客鉄道株式会社や住友商事株式会社などが出資するでんきの駅合同会社(職務執行者:河野宏樹・小島慶太、以下、「でんきの駅」)より、 “でんきの駅川尻”の施工を受注し、このほど完工しました。

EVリユースバッテリーの安全運用をサポート

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーの大量導入を見据えた電力ネットワークの安定化・次世代化が求められるなかで、電力系統の需給バランスを調整する蓄電池の役割が重要になっています。こうした役割を担う“でんきの駅川尻”は、2024年3月に熊本県熊本市に誕生した、電気自動車の使用済みバッテリーを活用した蓄電所です。蓄電所建屋には高い安全性が要求されました。

今回、太陽工業が施工した建屋は、金属の骨組みに膜材(生地)を被せて設置する膜構造のテント倉庫です。テント倉庫は柔軟で地震に強く、耐火性、耐久性にも優れており危険物倉庫として高い安全性をもちます。

高品質・環境負荷に配慮しながら、わずか4か月で完工

“でんきの駅川尻”建屋では、太陽工業独自の膜構造建築として短工期・低コスト化を実現した建築工法である「フレックスシステム」を採用しました。このシステムを採用したテント倉庫「フレックスハウス」は、一般的な建築物と比較して環境負荷が少ないことが特徴です。軽量で使用する鉄骨量も少なくできるため、輸送による環境負荷を大きく低減しています。また、膜素材は太陽光の透過率が高く、明るく開放感ある室内空間を実現可能です。日中は人工照明が不要でエネルギー消費を低減できます。杭工事が不要になることから、基礎工事に時間がかかりません。こうした特徴を生かして、“でんきの駅川尻”は、着工から4か月の短工期で膜工事が完工しました。

太陽工業では、 “でんきの駅川尻”のような蓄電施設での膜構造の活用が今後も拡大すると見込んでいます。テント倉庫「フレックスハウス」の危険物倉庫への活用を積極的にアピールし受注拡大を目指しています。

「でんきの駅川尻」概要

・事業場所 熊本県熊本市南区川尻(鹿児島本線川尻駅 九州新幹線高架脇)

・事業者 でんきの駅合同会社

・完工日 2024 年 3 月 21 日

・事業開始 2024 年 9 月(予定)

・定格出力 1.5 メガワット

・実効容量 6.0 メガワット時

・システム概要

  • EV リユースバッテリー約 350 台分を収納
  • スケールアップ(高出力・大容量化)のための制御技術
  • 電池交換式
  • 短工期、安全設計を実現する筐体構造
  • 鉄道沿線の形状に合わせた専用設計

・補助事業 経済産業省 令和 4 年度補正 系統用蓄電システム・水電解装置導入支援事業

・建屋概要

  • 構 造: 骨組膜構造 1階建て 2棟
  • 寸 法: 1棟あたり 間口5m×奥行き30m×高さ6.138m
  • 面 積: 延床面積 255平方メートル
  • 仕 様: 屋根/膜材 シャットバーン21(不燃)
  • 施 主: でんきの駅合同会社
  • 設 計: 太陽工業株式会社
  • 用 途: 蓄電所

太陽工業株式会社について

太陽工業は、経済性、施工性、透光性、デザイン性に優れた大型膜面構造物のリーディングカンパニーです。「膜の無限の可能性を引き出し、お客さまに感動と快適な環境をお届けします。」の企業理念のもと、軽くて丈夫な素材の特性を活かし、巨大ドームの屋根に象徴される各種建築事業をはじめ、土木や物流、さらには環境分野などにも事業を展開し社会の安全・安心を支えています。

イベントコンサルティングのTSP太陽株式会社ならびに施設運営のアクティオ株式会社をはじめとするグループ会社とともに「世界を、やわらかく。未来を、あたたかく。」することを目指しています。

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