大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、社長:能村 祐己)は、日立造船株式会社(本社:大阪市住之江区、社長:桑原 道)より、佐賀県東部環境施設組合 佐賀東部クリーンエコランド施工の「次世代煙突」を受注し、このほど完工しました。
「次世代煙突」の概要
「次世代煙突」は、従来のごみ焼却施設の煙突に用いられてきた外壁コンクリートやPCパネルに替わり、軽量素材である「PTFEガラス繊維膜材」を採用した新工法です。
2011年に太陽工業と日立造船の共同で開発がスタートし、国土交通大臣指定性能評価機関である一般社団法人日本膜構造協会(東京都中央区、川口健一代表理事)の技術審査を経て、2013年より販売を開始しました。2018年4月に稼働開始した、城南衛生管理組合クリーンパーク折居(所在地:京都府宇治市)に続き、本件が2件目の採用事例となります。
膜素材を用いた「次世代煙突」の特長
施工性
1枚の膜パネルで大面積を覆うことで、従来の施工方法と比較して施工時間の短縮を実現しました。
透光性
膜素材は透光性が高く、煙突内部の空間に自然光を透過することで内部空間におけるメンテナス時の作業性が上がります。膜の表目は外部塗装が不要なため、維持管理コストの低減につながります。
環境性
膜素材の表面には酸化チタン光触媒加工を施しており、大気中に含まれる窒素化合物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を分解、除去する効果も持ちます。また、有機物である汚れを分解し、雨で洗い流すセルフクリーニング効果により、美しく白い外観を保ちます。
耐震性
膜素材は従来建材と比較して非常に軽量なため、高い耐震性が特徴です。柔軟な素材のため、地震の際の変形に追従し、破損しにくく飛散しません。落下による二次災害が起きにくい材料です。
デザイン性
「次世代煙突」はその耐震性や施工性、維持管理の容易性を評価され、2018年にグッドデザイン賞を受賞しました。今回完成した案件は、頂部に向けて四角形から八角形に変形する多面体が特徴であり、白い膜素材による煙突はモニュメントのような高いデザイン性も特徴です。
https://www.g-mark.org/gallery/winners/9dfc2f63-803d-11ed-af7e-0242ac130002
次世代煙突 外観
次世代煙突 内観(見上げた様子)
施設の概要
所在地:佐賀県鳥栖市真木町39番地1
施設名:佐賀県東部環境施設組合 佐賀東部クリーンエコランド
建物:地下1階、地上5階建て
施主:佐賀県東部環境施設組合
運営:佐賀県東部環境テクノロジー株式会社
工期:2020年8月~2024年3月末
運営:2024年4月~2054年3月
膜素材「次世代煙突」の概要
規模:幅6.1m×高さ30m
形状:頂部に向けて四角形から八角形に変形する多面体
膜材:PTFEガラス繊維膜
工期:2023年5月中旬~2週間
参考:本発表に関する過去プレスリリース(当社ホームページ)
世界初の次世代煙突が完成
https://www.taiyokogyo.co.jp/news/63226/
日立造船株式会社について
日立造船株式会社は、都市ごみ焼却発電施設や火力発電所向けなどに鉄筋コンクリート製煙突や鋼製煙突を400本以上納めており、煙突の設計・製作・施工において国内トップレベルの実績と技術を有しています。
太陽工業株式会社について
太陽工業は、経済性、施工性、透光性、デザイン性に優れた大型膜面構造物のリーディングカンパニーです。「膜の無限の可能性を引き出し、お客さまに感動と快適な環境をお届けします。」の企業理念のもと、軽くて丈夫な素材の特性を活かし、巨大ドームの屋根に象徴される各種建築事業をはじめ、土木や物流、さらには環境分野などにも事業を展開し社会の安全・安心を支えています。
イベントコンサルティングのTSP太陽株式会社ならびに施設運営のアクティオ株式会社をはじめとするグループ会社とともに「世界を、やわらかく。未来を、あたたかく。」することを目指しています。
報道用写真は、こちらよりダウンロード頂けます。